理学療法
精神科には、身体リハビリテーションを必要とする患者様が想像以上に多くいらっしゃいますが、
実際には身体リハビリテーションを受ける機会が少ないのが現状であります。
当院では精神科病院としては珍しく、身体リハビリテーションを提供する理学療法の施設が併設されています。
認可を受けている施設基準は、運動器リハビリテーション料Ⅱと、脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅲです。
運動器リハビリテーションとは、骨折や関節の変性疾患、関節の炎症疾患その他の運動器疾患によって、運動機能の低下や日常生活に支障をきたしている患者様に対して、行う治療です。
脳血管疾患等リハビリテーションとは、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患の後遺症や、パーキンソン病に代表される神経筋疾患などの患者様に対して行う治療です。
いずれも、個々の患者様に最適と思われる治療・訓練を行っていきます。
この他にも、精神疾患が大本の原因で起きてしまった身体の障害に対しても治療を行っています。
また、関節や筋肉の痛みで辛いおもいをしている患者様には温熱治療や電気治療等を行い、痛みを和らげていきます。
身体的なケアのみならず、精神的なケアにも気を配り、やらせるリハビリではなく患者様と共に行うリハビリを励行しております。
作業療法
作業療法とは?
健康的な生活を送るためのリハビリテーションです。 健康的な生活を送るためには、身の回りのこと、働くこと、休むこと、楽しむこと、人と関わることがバランスよく行われることが大切です。 病気になると自分として生きる時間や行動の多くを病気や不安にとらわれてしまいます。病気や不安にとらわれていた生活から、自分らしい生活を取り戻していくことが回復につながると言えます。 作業療法ではあなたが「したいと思っていること」「する必要があると思っていること」「することを期待されていること」などをスムーズにできるようになるための相談援助及び練習を行う治療です。
当院の作業療法室
作業療法室では、今まで病気や不安にとらわれていた時間を、何か他の活動についやしていただくことで、病気や不安から解放されるための行動を手に入れるためのお手伝いをしております。
プログラムの紹介(一例)
選択活動 | 手芸、工作、ビーズ、プラモデル、ゲーム、パソコンなど興味のある活動に取り組みます。 |
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元気回復行動プラン~WRAP~ | 自身の元気を保つ、または回復するための行動プランを仲間と一緒に立て、より良い生活を送るためのプログラムです。 |
ミーティング | 安心して思いや悩みを話し合えるグループです。 |
陶芸 | 講師がいるので初めてでも安心して取り組めます。 |
ミュージックサロン | 音楽療法士と一緒に、楽しく歌って体の中から元気になりましょう。 |
病棟OT | それぞれの病棟でプログラムを行っており、作業療法室で行うプログラムの導入になっています。 |
行事 | 1月新年会、4月お花見、7月七夕会、8月夏祭り、10月ハロウィン、12月クリスマス会、その他、卓球大会、カラオケ大会...など。 |
利用者様一人一人と話し合いの場をもち、その人に合わせた作業活動を提供しています。
その際、利用者様の興味や経験なども考慮に入れ、活動内容を選択しています。
精神デイケアとは
同じ病気、悩みを抱える仲間が集まり、ゲームや運動、レクリエーションなどの様々な活動や、仕事の体験、参加者同士の交流を通じて、楽しみながら受ける「治療」の場です。
- 規則正しい生活リズムを身につけたい
- 気持ちが不安定で寂しい誰かと話したい
- 自分の居場所が欲しい
- 仕事に就く為の準備をしたい
- 病気との付き合い方を学びたい
- 楽しみや趣味を見つけたい
一日のスケジュール
9:30~ | 朝の会 |
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10:00~11:30 | 午前のプログラム |
11:30~13:30 | ラジオ体操 昼食・昼休み |
13:30~15:00 | 午後のプログラム |
15:00~15:30 | 掃除 帰りの会 |
デイケア利用の流れ
診察の時に主治医と相談 |
デイケア見学 |
主治医にデイケア指示箋申込み |
デイケア利用開始 |
プログラム例
例1 | 園芸 | 男性 ミーティング 女性ミーティング | 陶芸 囲碁 | ヨガ | お菓子作り | 創作 |
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エクササイズ | ダーツ WORK相談 | 栄養士さん のお話 | 音楽を聴こう 卓球 | 茶道 | 書道 | |
例3 | ハンドメイド | 調理 | 外出レク | Dr.交流会 ソフトボール | 誕生日会 | 瞑想 ヒーリング |
アートセラピー | フェイス ストレッチ | プログラムを 作ろう | シネマ倶楽部 | ボーリング | 運営 ミーティング |
★この他にも様々なプログラムを行っています。
アルコールデイケア
1 デイケアとは
精神科外来治療のひとつです。診察や投薬だけでなく、同じ病気をかかえる仲間同士が集まり、日中6時間をすごします。アルコールデイケアの場合、その目標は断酒を前提とした社会適応です。アルコール依存症は回復します。ただし自分一人では治せない病気です。飲まない仲間と一日過ごし、様々な体験を分かち合うことが、回復に役立ちます。
2 こんな方におすすめ
①アルコール依存症から回復したいという意欲のある方。②社会復帰のために生活習慣と体力をつけたい方。
3 参加の手続きと費用
①主治医の許可・指示が必要です。入院中の方は、半日のテスト参加を一週間程度続けて慣れていただきます。主治医の退院許可がおり、「デイケア指示箋」が出たら、デイケアのスタッフと面談し参加申込書にサインしていただきます。外来からの場合は医師から「デイケア通院指示」が出ます。
②「自立支援医療制度」を利用していただきます。診断書をそえて、お住まいの市区町村の役場にて申請して下さい。手続きが済むと外来通院費用(診察、薬、デイケア費)の負担が10%になります。生活保護を受けている方にも適応されます。
4 時間とプログラム
月曜~土曜 朝9:30~午後3:30(昼食つき) 日曜、祝祭日、年末年始は休み。
9:30~ | 朝の会(出欠と連絡事項) |
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10:00~11:30 | ミーテイング、講義、園芸、シネマなど |
11:30~13:30 | ラジオ体操、昼食 |
13:30~15:00 | ボウリング、ソフトボール、ヨーガ、瞑想、カラオケ、ネイルケア、華道、陶芸、革工芸、アルコール勉強会、院内断酒会、自助グループメッセージ |
15:00~ | ふりかえり(小ミーティングと連絡事項) 学びと体力作りに役立つプログラムを用意しています。合間にリハビリや診察も受けられます。 |
5 デイケアの約束事
①アルコールを飲んでこないこと。
②原則的に遅刻早退は認めない。
③個人の秘密や情報は外に持ち出さない。
④迷惑行為は禁止。
⑤プロプラムにはきちんと参加すること。
⑥精神科治療を続けること。