自助グループ

自助グループ

1.断酒会とAA

断酒している仲間たちの文化や考え方を信じてみる

断酒会について

昭和33年、日本人むけに工夫された回復方法を揚げる酒害者(お酒に悩む人達)による酒害者のための自助組織、断酒会が誕生し5年後に全国断酒連盟となる。会員制で夫婦や家族の参加が奨励されている。例会は二時間で断酒の近いなどを唱和した後、司会者に従って本人や家族が飲酒にまつわる体験談を話していく。
独身者のためのシングルの集い、女性だけの集まりアメシストの会、家族だけの家族会もある。現在、会員本人は約一万人とその家族が酒の無い新しい人生を送っている。

AAについて

1935年(昭和10年)アメリカで回復不可能と言われていた二人のアルコール依存者が偶然に出会いお互いの飲酒体験を語り、助けあうことによって酒を辞め続けられることが発見されAA(アルコールホーリクス アノニマス)の起源となる。彼らはミーティングや12ステップなどのプログラムを通じてグループ活動を広め、次々とメンバーが断酒に成功していった。お互いのプライバシーを守りメンバー全員が平等であるために本名、職業、住所を明らかにしなくてもよい。酒をやめたい希望を持つ人は誰でも参加できる。現在、日本では約五千人、全世界的には約二百二十万人のメンバーが活動している。

2.自助グループ参加までの病棟プログラム

入院中にできるだけ多くの自助グループ参加をするために

(1)入院から自助グループに参加までには部屋別ミーティング、アルコール学習会から始まりグループミーティング、院内断酒会へ段階的にプログラムを進めてゆく。その中で断酒会例会、AAミーティングに必要な技能を高めていき(飲酒にまつわる体験談や人間関係における感情や考え方のプログラムの使い方を学ぶなど)またルールも(語られた体験談などを公開しないこと、司会など役割の輪番制)学んでゆく。

(2)精神科主治医の診察において「各部自助会参加」指示がある。「送迎つきの自助会」に参加する場合は朝8時にナースセンターのカウンターに出る参加記入簿に記名。(10回以下の参加者が優先。)個人参加者(送迎に頼らない人)も記名。夕方4時30分の在室確認後、給食室に早出し夕食を取りにゆく。アルコールプログラム参加記録を忘れずに携帯して会場で参加証明の押印を。出発時刻は会場により異なるので要確認。

(3)「AA・断酒会カレンダー」について。

カレンダー

3.あなたが今、自助グループで(院内のミーティングでもよい)もらえているものは何ですか?

4.退院後の自助グループでの断酒継続とは?

ライフラインを確保し続けるために
*できるだけ、できれば毎日の徹底的な参加が断酒継続への最も有効な方法・・・
「90×90」(90日間に90の例会、ミーティング)
まずは「退院した、その足で」会場に行けるか否かが重要なポイントになる。

(1)自助グループになじむまでには多少の時間がかかるかもしれないが、通うにつれ仲間が語る体験や感情に共感できるようになる。そうして自分自身の過去の体験や現在の感情の問題を話せるようになってくると飲酒欲求が弱くなっていくことに気づいてゆく。

(2)仲間は同じような飲酒問題と体験を持っているので、恥ずかしい失敗談も「おたがいさま」の暖かい共感で包んでくれる。現在の悩みにも親身になってくれる信頼のおける人間関係がお酒ぬきでできてくる。仲間に会うことが楽しくなってくると断酒が喜びになる。

(3)断酒会の「断酒の誓い」、AAの「12のステップ」にあるように自分の過去をゆがんでしまった性格がひきおこしていた人間関係の問題や飲酒感情などを明らかにし、傷つけた人たちへ今できるだけの埋め合わせをしていくなどの一連の仲間との行動プログラムのなかで、酒(アルコールという麻薬)を必要としていた生き方の方向性と心のあり方が好転することが実感できる。

5. 自助グループの経験から学ぶ断酒のコツ

自分の都合だけで自助グループの参加を限定したり自分勝手に利用すると・・・

(1)「一日断酒」「今日一日」明日はわからないが今日は飲まない。飲まない一日を重ねて生きる。

(2)「第一のものは第一に」断酒初期はなにもより飲まない行動を優先する。

(3)「自分の考え(自動思考)だけを使わない」古い思考パターンは怒りや恨み、自己憐憫や鬱など再飲酒を引き起こす感情につながりやすい。先輩の合理的思考を参考に。

(4)「気楽にやろう、でもやろう」ちょっと失敗すると投げだす完璧主義者をやめて、とにかくやってみよう。
おまけ ~仲間の経験から語り継がれる言葉
(2ステップダンス)(自分の頭のハエを払えないのに他人の世話をするな)(13ステップ)

6.入院生活と自助グループ

自助グループでの仲間は生涯の断酒仲間の一人になるかも知れません。同じ目標に向かって頑張る仲間は必ず必要です。早めに参加をして、多くの仲間と助けあう事をお勧めいたします。

(1)入院プログラムでは退院までに10回以上の外部自助グループ参加を基準としている。

(2)
・入院中に、退院後の自助グループ参加を前提とした生活計画をたてる。
・断酒会を選択するならできるだけ入院中に入会をお勧め致します。
・AAを選択するならホームグループの決定とスポンサーの選定をしておく。

(3)退院日は今後参加する断酒会例会やAAホームグループのミーティングがある日に設定して、夜は仲間と共に過ごしましょう。

AA(アルコホーリクス・アノニマス)

アルコホーリクスアノニマスの頭文字で、匿名のアルコール依存症者の意。アルコール依存症者の自助グループ。

断酒会

アルコール依存症者の自助グループ。
AAを参考にし、日本人向けに工夫されたもの。

NA(ナルコティックス・アノニマス)

薬物依存症者の自助グループ。

GA(ギャンブラーズ・アノニマス)

ギャンブル依存症者の自助グループ。

EA(イモーションズ・アノニマス)

感情や情緒に問題がある人達の自助グループ。

OA(オーバーイーターズ・アノニマス)

摂食(過食)障害の人達の自助グループ。

HA(ひきこもりアノニマス)

ひきこもりアノニマス

ACA(アダルト・チルドレン・アノニマス)

アダルトチルドレン(アルコールや薬物依存症の親の影響を受け、育った人)の自助グループ。

マック(Maryknoll Alcohol Center)

マックとは、アルコール・薬物依存症にかかった人のためにつくられたリハビリテーション・センターです。1978年、自らがアルコール依存症という辛酸をなめ、そこから回復したカトリックのアメリカ人神父が東京の下町に設立したのが始まりでした。
この施設は、アルコール・薬物依存症者を、その病的な依存から回復に導く手助けを目的とする日本初のリハビリテーション・センターでした。依存症者はここで、アルコールをやめ続ける方法と回復への道を知り、新しい生き方を学び、自立していきます。

ダルク(DARC)

薬物依存症者のリハビリ施設(中間施設)。

アラノン(Al-Anon)

アルコールや薬物依存症者の家族や友人のための自助グループ。

アラティーン(Alateen)

問題飲酒者の未成年の子供のグループ

ギャマノン(Gamblers Anonymous)

ギャンブル依存症者の家族・友人のための自助グループ。
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